みなみ、ありがとう! 誰しもに訪れる愛犬との別れ【ミナクルわんわん物語】

『DIC!』

『DIC!』

病院内に先生の声が響いた・・・

長年連れ添った愛犬の入院

愛犬のみなみが入院したのはその2日前のことです。

前日の夜から嘔吐が始まり、翌朝すぐに病院へ連れて行きました。

この時、みなみは14歳半。

年齢的にもそうですし、前日の夜の様子から少し嫌な予感はしていました。

 

診断結果は『胆嚢炎』。

歳を重ねたら珍しい病気ではないとのことです。

一日、入院になるけど心配しなくていいと思うよ。と言われ、ほっと胸を撫でおろしました。

予期せぬ展開に募る心配……

その日、私は地方へ出掛ける用事がありました。

診断結果を聞き安心出来たこともあり、出掛けることを決めました。

でも、やはり心配で・・・

翌日の夕方までの予定だったのですが、明け方に帰ることにしました。

 

本来ならば午前中に病院から電話をもらう予定でしたが着信がありません。

心配になったので戻りの車の中から電話を掛けることにしました。

 

数値(※血液検査の数値です)がよくならないから、すぐに電話出来ませんでした。このまま帰すわけにはいかないので、もう一泊入院させてほしいとの内容でした。

『命に別状はありませんか。』

それが私の第一声だったと思います。

はっきりした答えは返ってこなかったと思いますが、そんなに危機感を感じるような返答ではなかったと記憶しています。

みなみに会えると思っていただけにとても残念でしたが、入院延長の承諾をし、そのまま家に帰ることにしました。

この時はまだ、翌日に起こる悲劇を夢にも思いませんでした。

「DIC! DIC!」が意味すること

翌日、お昼を食べていた時のことです。

プルルルル。

電話が鳴りました。

虫の知らせと言うのでしょうか、最悪の状況が脳裏をよぎります。

 

電話の内容もまさにそうでした。

容態が急変したので、すぐに来て欲しいと・・・

慌てて病院に駆けつけました。

 

そこには見たことないぐらいに弱々しくなったみなみがいました。

その姿を見た瞬間、涙があふれました。

カエルのように足をペタンと広げ、うつぶせになっています。

普段そんな体勢をすることのない子なのに。

何とか頑張って欲しい・・・けど、これはもう・・・。

心の中がぐちゃぐちゃでした。

 

そんな自分を励まそうとしたのか、動くのもしんどいはずなのに、立ち上がろうとするみなみ。

数歩だけ近付いてくれてまたペタンとうつぶせに。

『ありがとう。』『早く帰ろうな。』『すぐ良くなるからね。』

そう声をかけ続けました。

精一杯の愛情を伝えたくて、体を撫で続けました。

あふれる涙をこらえ、必死に笑顔を作って。

 

その間、みなみと面会してから5分も経っていません。

きっと2,3分の出来事だったと思います。

急にみなみの頭がクタッと倒れ、呼吸が止まり、勢いよく鼻血が出てきました。

死の瞬間には体の水分が出るといいます。

私は声を出すことも、動くことも出来ず、その様子をボーゼンと見つめることしか出来ませんでした。

その瞬間です。

『DIC!』『DIC!』と叫び声が響いたのです。

 

DICとは病名なのですが、別の呼び名があるそうです。

『デッド イズ カム』

直訳すると死がやってくる。要するに死が近い状態のことです。

すぐに看護師さんも駆けつけ、心肺蘇生が始まりました。

診察台の上に横向きにさせられ、心臓を強く圧迫されています。

気道を確保するためでしょうか、逆さにされ宙づりにされることもありました。

私はもうあふれる涙をこらえることも出来ず、声を出すのも我慢出来ず、泣きじゃくり、ひたすら祈っていました。

『お願いします。どうかみなみを助けてください』

『助けてくれたら、どんなことがあってもいいです』

『まだ、みなみとやりたいことがたくさんあるんです、お願いします』

 

祈りが届くことはありませんでした。

みなみは虹の橋を渡ったのです。

先生方は一生懸命、処置をしてくれたと思います。

私が『もう、いいです。もう、止めてあげてください。』と、言うまで処置を続けてくれましたから。

きっと、先生方は難しいことを知っていたはずでしょうが、最期のときまで私の言葉を待ってくれましたから。

 

大好きな大好きな大好きなみなみ。

まだまだ一緒にいれると思っていたのに。

こんなに悲しいことがあるなんて知らなかったよ。

大人になって、こんなに涙が出たことはなかったよ。

あれから数年経ったけれど、いつもいたはずの場所に、君の姿が見当たらないときは、やっぱり寂しくなるよ。

あの頃、一緒にたくさん走ったね。

今でもお空で楽しく走り回ってるのかな。

今の暮らし、今の仕事、今の人間関係は全てみなみがくれたものだよ。

どんな形であれ、また出逢えると嬉しいな。

本当に本当に、うちの子になってくれてありがとう!

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